京都で暮らすように泊まろう。古き良き『京町家宿』5選

出典：ginkosanさんの投稿

商店と住居を兼ね備えた間取りや、『うなぎの寝床』と呼ばれる細長い構造、『坪庭』と呼ばれる観賞用の庭など、独特の建築様式が魅力の『京町家』。現存しているものの多くは築100年ほどの歴史を持つものばかりだと言われています。京都市内には、そんな町家の風情を生かした宿があります。

出典：izzuo119さんの投稿

その多くは観光スポットや商店街、老舗飲食店などのすぐ近くにある為、風情を楽しめるだけでなく利便性も抜群です。またゲストハウスタイプの宿が多く、旅館やホテルより安く宿泊できるのも魅力。今回は数ある『京町家宿』の中でも、特におすすめの宿をご紹介します。

「京都鴨川のお宿 たまみ」は、明治時代に建てられた歴史ある京町家。鴨川沿いという絶好のロケーションで、川床のような客室デッキから四季折々の景色を楽しむことができます。京都駅や京阪・七条駅、三十三間堂など、観光地や交通の要所が徒歩圏内にあるのも魅力です。

こちらの町家は2階建て。宮大工さんによって、風情を残しつつおしゃれにリノベートされています。こちらはリビングルームとして利用できる1階の洋室です。

洋室の奥のデッキからは、鴨川越しに京都の街を眺めることが出来ます。 川風を感じながらまったり晩酌……。なんて過ごし方も素敵ですね。

2階には和室とベッドルームがあります。元はお茶屋だったこともあり、どことなく優雅な雰囲気が漂っています。

宿泊は1日1組限定。京町家を丸ごと貸しきって、パートナーや友人と贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか？

京都きっての花街・祇園エリアにリーズナブルな価格で宿泊できる『祇園 紘 (ぎおん こう）』。大正時代建築の京町家をリノベーションした宿です。様々なタイプの部屋があり、1人でも利用することができます。

四季折々の風景を楽しめる広めの坪庭。縁側があり、庭を眺めながらのんびり過ごすことができます。夕涼みしたり、お風呂あがりにくつろいだり……。日々の喧騒を忘れて、ただボーっとしてみるのも贅沢かもしれませんね。

お部屋は5つのタイプから、宿泊人数に合わせて選ぶことができます。どのお部屋も京町家の雰囲気溢れるモダンで素敵な空間です。こちらは1～5人用、バス・トイレ付きの和室『葵』。家族での宿泊にぴったりなお部屋です。

こちらは1～3人用の洋室『梅』。

京の風情を感じる坪庭もあります。池には鯉が泳ぎ、ゆっくりとした穏やかな時間を過ごせますよ。日常の忙しさを忘れ、のんびり庭を眺めて癒されましょう。

こちらは、アンティーク家具や調度品が並ぶノスタルジックなロビー。建物の一角には、“京都の良いモノ”を発信するセレクトショップ『祇園　馨多人-katari-』があります。京コスメ作りなどのワークショップを開催しているので、宿泊の際に体験してみてはいかがでしょうか。

町家を改修した全23棟の旅館『Nazuna（なずな） 京都 椿通』は、京都駅から車で約10分、四条大宮付近の一角にあります。築110年以上の町家が立ち並ぶ、約1400平米の路地一体がこのお宿。花街を思わせる街並みは、ふらっと散歩するだけでも京都の風情を感じることができます。

客室は、京都の自然美をテーマに「TAKE（たけ）」「MIZU（みず）」「IWA（いま）」「HANA（はな）」「HA（は）」の5タイプに分かれています。こちらは「TAKE」タイプのお部屋。室内は「竹」をテーマにデザインされ、明治時代の建物とは思えないようなおしゃれでモダンな空間が広がります。

全室に露天風呂・半露天風呂が備わっているのも嬉しいポイント。和の趣を感じる「TAKE」タイプのお風呂や、モザイクタイルで彩られた「HANA」タイプのお風呂など、お部屋ごとにそれぞれ異なる造りになっているので、好みのお風呂で客室を選ぶのも良いですね。

敷地内には、レストラン「和牛料亭bungo（ぶんご）」があり、厳選した高品質の国産和牛を使った”焼かない焼肉”が堪能できます。ちょっと贅沢なディナーを楽しみたい時にぴったり。前日までの予約制なので、早めの予約を忘れずに。

清水寺や八坂神社など、有名な観光スポットが徒歩圏内にある『町家 つばら 五条坂』。近くに食事処や喫茶店、工芸品店などのお店も多く、京都で生活しているような気分を味わえます。

こちらも1日1組限定で、他の観光客を気にせず自由に過ごすことができます。入ってすぐの板間は読書やコーヒータイムにぴったり。町家が建てられた当時の家具が配されていて、レトロな雰囲気が漂っています。

使いやすくリノベートされた土間もあります。自分で調理して、京町家の居間で食事を楽しむのもおもしろそうです！

1階の奥からは、琴をはじいたような美しい音色がきこえてきます。音の正体は坪庭の『水琴窟（すいきんくつ）』。水のしたたる音を反響させる、なんとも雅な装置です。

調度品が飾られた和室。1階と2階にそれぞれ2部屋あり、4人まで宿泊可能です。

お店自慢の露天風呂。湯船には体を温める効果があるとされる『信楽焼（しがらきやき）』が使われています。好きなタイミングで好きなだけお風呂に浸かれるのも1棟貸切宿の魅力。時間を気にせず、疲れた身体をゆっくりと癒しましょう。

最後にご紹介するのは、タヌキの置物が目印の『K-Style（ケースタイル）』です。1棟貸切タイプで、金閣寺から徒歩約10分ほどのところにあります。このエリアには小さな寺社やお店が点在していて、中心街とはひと味違うディープな京都を見ることができます。

この町家では、かつて織物が製作されていたそう。室内には当時使われていた糸巻きが展示されています。織物屋さんが時代を経て宿になるなんて、なんだか不思議ですね。

室内はどことなく昭和レトロな雰囲気。1階には可愛らしい掘りごたつがあります。

1階和室の奥にある坪庭。広々したウッドデッキ付きで、縁側のような過ごし方ができます。

2階には和室が3部屋あり、ふすまを開いて広々と利用することもできます。最大7人まで宿泊可能です。

出典：a.z.s.uさんの投稿

地元の方が集まる居酒屋さんに顔を出してみたり、朝早くに近所の神社へ参拝したり、京野菜を買って自分で調理してみたり……。人々の生活に寄り添う『京町家宿』に泊まったら、ガイドブックとはちょっと違う目線で京都を楽しむことができるかも。京都旅行の際には、ぜひ『京町家宿』を利用してみてくださいね。